「大寒」なのに”春の妖精”開花 暖冬影響か例年より早く 可憐な「セツブンソウ」

2020.01.21
ニュース丹波市地域地域自然

開花が始まった「春の妖精」セツブンソウ=2020年1月20日午前11時42分、兵庫県丹波市青垣町内で

二十四節気の一つで、一年で最も寒さが厳しくなるとされる「大寒」の20日、兵庫県丹波市青垣町内で、”春の妖精”とも呼ばれる山野草・セツブンソウの開花が始まった。この場所は市内のほかの自生地よりひと月ほど開花が早い「早咲きスポット」と知られているが、暖冬の影響か例年よりさらに1週間ほど開花が早まっている。開花を待ちかねたように写真愛好家が訪れ、可憐な白い花をカメラに収めていた。

環境省レッドデータブックの準絶滅危惧種。キンポウゲ科の多年草で、花びらのように見える白い部分はガク。通常5枚で、楕円形をしたガクの長さは1センチ―1・5センチほど。

「節分草」の名の通り、節分の頃に咲くことからこの名がついたとされるが、一般的には新暦の節分より遅く咲くところが多い。

気象庁によると、この日正午の同市の気温は10・2度。1月上旬の平均気温は、6・2度と、平均値より2・9度も高かった。

可憐な姿に魅せられ、18年にわたって撮影に訪れている神戸市の男性は、「もしかしたら咲いているかなと思って来た。これまでで一番開花が早い。ラッキーだった」と喜んでいた。

かつては山裾で見られる一般的な山野草だったが、昭和30年代の里山へのスギ、ヒノキの植林で日あたりが悪くなるなど生息環境が変わり、市内でも青垣町内を除き、ほとんど群生は見られなくなった。

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