折り鶴1つとパン交換 コロナ休校の子らへ「楽しみや息抜きに」 お客への恩返しにと

2020.04.28
ニュース丹波篠山市

折り鶴とパンを交換する取り組みを始めている大地さん=兵庫県丹波篠山市南新町で

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて営業を自粛している兵庫県丹波篠山市南新町のパン店「麦の穂」の店主・大地友代さん(40)が、臨時休校などで学校園に行けない同市内の子どもたちのためにと、折り鶴を持ってきた子にパンを無料でプレゼントする取り組み「折り鶴の日」を始めている。大地さんは、「少しでも楽しみや息抜きにしてもらえたら」と話す。次回は28日午前11時―午後零時半まで。

折り鶴1つにつき、パン1個をプレゼントする。休校になっている幼稚園、認定こども園、小、中、高校や、こども園や保育園でも登園を自粛している市内の子ども限定。折り鶴は自宅で折ってきてもいいし、店舗前に折り紙を置いている。

同店は4月9日から営業を自粛しているが、学校園が休校となり、「仕事にも行けず、光熱費の支払いも厳しい。子どもにお菓子を買ってあげる余裕もなくなってきた」と涙を流す常連客の姿を見て、折り鶴の日を考案。「自分にできることはパンを焼くことくらい。親も子も家に閉じこもっているのは窮屈なので、『パンをもらいに行く』という理由で、少しだけ外の空気を吸ってもらえたら」と考えたという。

折り鶴との交換を条件にしたのは、「『無料』と言うと、遠慮して来ない人もいるので」とほほ笑み、「平和の象徴でもあるし、親子で折り紙を折る楽しさにもつながるのでは」と話す。

パンは、メロンパンやきなこ揚げパン、ジャムサンドなど5種類ほどを用意しており、”選べる楽しみ”も。子どもたちにとっては自分が折った折り鶴で買い物気分を味わえる。

子どもたちが持ってきた折り鶴

週1回のペースでこれまでに3度開催。子どもたちが持ち寄った折り鶴にはメッセージも添えてあり、「はやく幼稚園に行きたい」「早くみんなの元気なすがたがみれますように」などと書かれている。

費用は全て大地さん持ち。それでも、「コロナの影響を受けて、本当に切実な状況の人もいる。お客さんに助けられてきた店。恩返しだと思っている」と言い、「休業しているけれど、材料はまだある。休校中は続けたい」と話している。

毎回60個ほどを用意している。28日以後の「折り鶴の日」の情報は、同店のフェイスブックなどで。

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