兵庫県丹波市山南町谷川にある「首切地蔵尊」の地蔵茶屋の近くで、腐生植物の「ギンリョウソウ」が見られる。山際の林床に約30本が株立ち。ムーミンに登場する「ニョロニョロ」や白馬の群れのようにも見えるが、同茶屋を経営する大原義弘さん(76)、まちよさん(70)夫妻は、「この場所で9年商売しているけれど、初めて見た。幽霊みたいな雰囲気でちょっと不気味だけれど、よくよく見たらかわいい」とほほ笑んでいる。
まちよさんが、客から「この場所にはチゴユリがいっぱい生えているよ」と教えてもらったため、探していると、ギンリョウソウと出くわした。「半透明で形も変わっていて最初はキノコかなと。お客さんからも珍しいよと聞いたので、大事に見守っていきたい」と話している。
ツツジ科の多年草。茎の高さは10―20センチ。漢字で「銀竜草」と書く。名前の由来は、半透明の白色で、姿が竜に見えるため。葉緑素を持たないため光合成を行わず、養分は土の中の菌類から得て育つ。「ユウレイタケ」の異名を持つ。