例年、ピンク色の花が埋め尽くす兵庫県丹波市青垣町東芦田の江古花園のハス園がこの夏、ほとんど花が咲かない珍事に見舞われている。葉の繁りも極めて悪い。運営グループは「開花が遅れていると思っていたら、咲かないまま終わりそう。何が悪いのだろう」と不思議がっている。花が散った後にできるハスの実を薬膳料理店に販売して園の管理費に充てており、「収入がなくなる」と困っている。
例年7月初旬に開く祭りは、今年は新型コロナウイルスの影響で開催を自粛したものの、そのころには開花するハスが、今年は「ほんの少し咲いただけ」(運営グループ)。例年なら8月初旬でもたくさん花が残っているが、今年は園の畔沿いにちらほらと見られる程度で寂しい。
例年なら繁った葉に覆われて見えなくなる水面が、今年はよく見える。障害物が少ないため、いつになくザリガニが釣りやすくなっている。
運営グループのメンバーたちは、「雨が多く、日照が少なかった梅雨の影響」「泥の中でレンコンが密集し過ぎて、生育に悪影響を及ぼしているのでは」と不出来の理由を推測する。
「あるだけ欲しい」と言われるぐらい引き合いがあるハスの実だが、肝心の花が咲かないため、「今年の出荷は難しいだろう」と言う。実とあわせて「包み蒸し料理」用に、直径40センチほどの生葉を乾燥させて出荷しているが、「葉も適当なサイズでまとまった数を集められるかどうか」と、微妙な状況。メンバーの一人は、「ハスまでコロナ自粛しているのかな」とこぼしていた。