血まみれ男性を救助 車に乗せ病院搬送 「大事に至らなくてよかった」

2020.10.15
ニュース丹波市地域地域

大谷署長から「のじぎく賞」の伝達を受けた水上さん(右)=2020年10月7日午後1時56分、兵庫県丹波市柏原町柏原で

兵庫県丹波市の会社員、水上裕斗さん(30)が、路上で転倒し、けがをしていた高齢男性を救護したとして、同県「のじぎく賞」を受賞した。このほど丹波警察署で伝達式があり、水上さんは大谷誠司署長から賞状を受け取った。

同署によると、水上さんは9月19日午後9時ごろ、同市市島町町の片側一車線の市道を車で走行中、道路の真ん中で四つんばいになり、顔中血まみれの60代男性に気付いた。水上さんは車を止め、声を掛けたところ、「転んだ」「ひとりで帰れる」と返事があったものの、体が小刻みに震えていたこともあり、「重傷ではないかもしれないが、容態が急変するかも」と男性を自分の車に乗せ、現場から最も近い京都府福知山市内の病院へと搬送した。病院で治療を受けた男性は、その日のうちに退院したという。

男性は3年前に脳梗塞を発症しており、家族からは「そのまま放置していれば命に危険が及んだかも」として、大いに感謝されたという。

水上さんは「無我夢中だった。大事に至らなくてよかった。でも、これからは救急車を呼びます」と語り、大谷署長は「都会では通報だけして被救護者が放置されているケースも多いが、今回そのままにしていたら後続車にはねられるなど、事件事故につながっていたかもしれない。水上さんの心温かい対応に感謝」と話していた。

関連記事