「第15回全国学校給食甲子園」(21世紀構想研究会主催)の第4次審査の結果がこのほど発表され、兵庫県丹波篠山市の篠山東部学校給食センターが全国12代表の一つに入り、同市から2年連続で決勝大会出場を決めた。今年も全国から応募のあった献立1412件の頂点を目指す。栄養教諭らは、「丹波篠山の給食はおいしくて、栄養バランスも良い。地域で食材を作ってくださる方々の思いや努力があることも伝えられたら」と意気込んでいる。決勝大会は12月5日に開催される。
応募献立は、▽丹波栗と黒枝豆のにぎわいごはん▽牛乳▽丹波地鶏のさんしょみそ▽コリコリ干し大根の茶の香和え▽霧芋の雲海汁▽ミニトマト―の6品。岡田恵美さん、廣内美咲さん、井口直美さん、畑杏奈さん、田端廣美さんの5人の栄養教諭が考案した。
市を代表する特産の丹波栗と黒枝豆のごはんは、これまで別々にしていたものをミックス。旬と秋祭りの時期が重なることから、人が集まるにぎわいを感じられるようにとネーミングした。
お隣の丹波市産の地鶏に、丹波篠山市産の山椒、センターで仕込んでいる黒豆みそを使用。食感が抜群の干し大根と丹波茶を合わせたり、つるのグリーンカーテンを通して児童たちにも親しみのある山の芋を使って雲海を表現するなど、身近にある特産をふんだんに盛り込んだ。彩りに添えたミニトマトも市内でハウス栽培されているものを使っている。
審査では、「地元食材への思いが強く、効果的に使っている」「旬と地域の産物がしっかりと取り入れられ、バラエティーに富んだ献立」「地場食材を地域の気候とからめている理科的工夫がユニーク」などと評価された。
決勝大会は例年、栄養教諭と調理員がコンビを組んで実際に調理する調理コンテストと、味を評価する食味コンクールが行われていたが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止。献立は書類審査のみで最優秀賞などが決められる。
食育授業コンテストもあり、オンラインで行われる。調理員の長澤逸夫さんと共に食育授業に臨む岡田さんは、「去年、優勝しているので周りからのプレッシャーがすごい」と苦笑しつつ、「決勝で食べてもらえないのが残念だけれど、みんなで知恵を出し合い、生産者のみなさんにも協力してもらってここまで来た。連覇を狙いたい」と意気込んでいる。
昨年は篠山西部学校給食センターとして応募。初の決勝進出で初優勝を飾った。