「全国学校給食甲子園」(認定NPO法人21世紀構想研究会主催)の決勝大会の最終審査結果がこのほど発表され、兵庫県丹波篠山市の東部学校給食センターが、3位相当となる優秀賞(教職員生涯福祉財団賞)を受賞した。同市の学校給食センターとしては、昨年度に優勝した西部センターに続く入賞。オンラインで開催された「食育授業コンテスト」でも、東部学校給食センター栄養教諭の岡田恵美さんが優秀賞に選ばれた。
同市立四季の森生涯学習センターで行われたパブリックビューイングには栄養教諭のほか、地元の生産者ら約60人が駆け付け、大会の様子を見守った。児童たちが手作りした「めざせ二連覇」と書かれた横断幕も掲げられた。受賞が発表された瞬間には歓声が上がり、旗を振って喜びを分かち合っていた。
今年は全国から1412件の応募があった。同センターは4次までの審査を勝ち抜き、全国12代表で競う決勝大会に進出。昨年は西部学校給食センターが初の決勝進出で、全国1447施設の頂点に立った。
献立は、東部学校給食センターの岡田さん、廣内美咲さん、井口直美さん、畑杏奈さん、田端廣美さんの5人の栄養教諭が考案。▽丹波栗と黒枝豆のにぎわいごはん▽牛乳▽丹波地鶏のさんしょみそ▽コリコリ干し大根の茶の香和え▽霧芋の雲海汁▽ミニトマト―の6品で応募。特産の黒枝豆、丹波栗、山の芋のとろろ、コシヒカリなど、地元で採れる秋の恵みをふんだんに盛り込んだ。
決勝大会は例年、栄養教諭と調理員が2人で調理する調理コンテストと、味を評価する食味コンクールで審査されるが、今年は新型コロナウイルスの影響で、書類と、オンラインによる「食育授業コンテスト」のみで審査された。
食育授業では、決勝に進出した各施設が、あらかじめ収録した5分程度の動画を順に公開。同センターは岡田さんと調理員の長澤逸夫さんが、大河ドラマ「麒麟がくる」に関連付けながら、地元の生産者が丹精込めて育てた食材の魅力やメニューに込めた思いを伝えた。
岡田さんが、甲冑を身にまとった長澤さんと共に「熱や力のもとになる『黄』」、「筋肉や骨をつくる『赤』」、「体の調子を整える『緑』」と、栄養3色がそろったバランスの良い献立になっていることをアピールした。
岡田さんは「2連覇というプレッシャーもあった中でも、こうして賞をいただくことができた」と顔をほころばせ、「調理員や生産者のみなさんの協力のおかげで給食が作れている。日々感謝です」と笑顔だった。長澤さんは「これからも”愛情のスパイス”を振りかけながら、安心安全な給食を届けていきたい」と話していた。
椋周二実行委員は「丹波篠山は栗や黒大豆など全国的にも地場産物が豊富な場所。それらの食材が心置きなく生かされた献立だった」と講評した。