小学校講堂に数字「2594」 その意味は皇紀 なぜ残ったかは謎?【シリーズ・丹波ムー】

2021.01.04

篠山小学校の講堂に掲げられた「2594」の数字。下にあるのは校章=兵庫県丹波篠山市北新町で

兵庫県丹波篠山市の国史跡「篠山城跡」内にある篠山小学校。全国でも珍しい国史跡内にある小学校だ。その校内に立つ講堂の壁に「2594」という数字が掲げられている。

西暦にすれば遠い未来。ならば車のナンバーなどでよく見る「1188(イイハハ、イイパパ」「2951(フクコイ)」「2525(ニコニコ)」などと読ませるのか? しかし、「ニコクヨ」「フゴクジ」では意味が分からない。

「あれは皇紀2594年という意味です」(同校)。

皇紀とは、初代・神武天皇が即位したとされる年(紀元前660年)を元年とする紀年法。明治に制定され、即位日の2月11日を「紀元節」とし、祭日にもなっていた。

太平洋戦争で使用された戦闘機「零戦」のゼロは、皇紀2600年の「0」から採用されたことは有名だ。

敗戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が紀元節を廃止(後に「建国記念の日」として復活)するなどし、現在は皇紀はほとんど使われなくなっている。

ちなみに2021年は皇紀2681年。篠山小の「2594」は昭和9年(1934)になる。講堂が新築されることになり、起工した年だという。

かつて近くにあった鳳鳴中学(現・篠山鳳鳴高校)は数多くの優秀な軍人を輩出したことから、戦後、GHQから目を付けられ、「軍国主義的外観並びに内容を持てる額、掛物、諸教材、写真および図書を焼却」と迫った史料も残っている。

にもかかわらず残されている「2594」。同校は、「確かになぜかは分かりませんね」と首をかしげる。この謎についてご存知の方はぜひ、ご一報を。

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