兵庫県丹波市の「丹波野鳥の会」会長の梅津節雄さん(67)がこのほど、丹波市内を流れる加古川でタカの一種「ハイイロチュウヒ」の撮影に成功した。「以前、有名な探鳥地の岡山で撮影したことはあるが、地元で撮影できたのは初めて。餌を求め、アクティブに飛翔する瞬間に出合え、感動した」と喜んでいる。
夕方、水鳥を撮ろうと河川敷に腰掛けていると、200メートル先のヨシ原に見え隠れする大型の白っぽい鳥に気付いた。翼をV字にしてヨシ原上空を飛んでいたかと思うと、突然、ヨシ原の茂みに落っこちるように降下した。「しばらくして姿を現した鳥は、なんとハイイロチュウヒの雄。狩りに成功したのか、足には小鳥の肉片をつかんでいました」と興奮気味。
梅津さんによると、大きさはカラスほどで、日本には越冬のために飛来する冬鳥。雄は非常に数が少ないという。
「尾羽が長いので、急旋回、急降下などアクティブな飛行ができる。名前の由来に『宙返りをするタカ』から『宙飛』となったという説があるが納得」と話す。
繁殖地はユーラシア大陸北部など。県版レッドリストでは、絶滅が心配されるCランクに指定され、兵庫県内では10月―3月にかけて広い草原や湿地などで記録されている。