黒大豆が特産の兵庫県丹波篠山市にある黒豆卸業・小田垣商店(同市立町)が、2007年に国の有形文化財に登録された店舗10棟のうち5棟を改修し、14日からカフェやショップをオープンした。総事業費は今回の1期工事で約2億5000万円(うち国の助成5000万円)。改修や作庭には著名な現代美術家が携わった。
設計は、大河ドラマ「青天を衝け」の題字を担当した現代美術家の杉本博司さんと、建築家の榊田倫之さんが主宰する「新素材研究所」(東京都)が手掛けた。
江戸後期に建てられた店舗を、黒豆商品を販売するスペースやカフェ「小田垣豆堂」にした。中庭は杉本さんがデザインし、「禅庭」を現代風にアレンジした。白洲に黒豆をイメージした延段や、縄文時代の環状列石をイメージした石が並ぶ。
小田垣昇社長(51)は「黒大豆が正月だけでなく、四季を通じて食べられるという文化を発信したい」と話している。
「豆堂」では黒豆やきな粉、丹波栗を使ったソフトクリームやパフェのほか、サンドイッチや、黒豆茶、黒豆菓子付きのコーヒーなどを販売する。
今回は1期工事で、今後4年かけて、残りの棟を茶室や、料理体験ができるキッチン、黒豆に関するギャラリーなどに改装する。
営業時間はショップが午前9時半―午後5時。カフェが午前10時―午後5時。無休(年始除く)。