軽トラで寝泊まりいかが? 人気の「モバイルハウス」 製材所「地元産材をPR」

2021.04.16
地域

東洋製材所が販売しているモバイルハウス=2021年4月10日午前9時54分、兵庫県丹波市柏原町柏原で

時間も場所も自由に過ごしたいと、車中泊ができるキャンピングカーをはじめ、トラックやバンに積めば、家のようにくつろげる「モバイルハウス」(動く家)の人気が高まっている。兵庫県丹波市柏原町の東洋製材所(上田棟次郎社長)は、会社の特性を生かし、軽トラックの荷台に積むことでキャンピングカーに早変わりするモバイルハウスの販売を始めた。アウトドアが趣味という同社専務の上田紗也さん(46)が企画、設計、製造を手掛けている。外壁や床には丹波市産のスギやヒノキをふんだんに使用しており、「丹波市産材のPRにつながれば。木材利用の可能性にも気付いてもらえたら」と話している。

モバイルハウスの内寸は、高さ約1・7メートル、幅約1・3メートル、奥行き約3メートル。重量は約250キロ。脱着が可能なため、荷物を積む軽トラ本来の機能も失うことがない。テーブルやいす、窓のないシェル(箱)の状態で価格は約30万円。

モバイルハウスの室内

オプションで取り付けるいすはベッドにもなり、天板をめくると収納ボックスが隠れている。また、テーブル(オプション)を引き上げると、運転席の上部にせり出した棚スペースとフラットになるため、ベッドとして利用でき、2人で宿泊することも可能。

「市販品と比べて、リーズナブルで、木のぬくもりが感じられるのも良いところ。造り立てのときは木の香りがプンプンして、まるで森林浴をしているような感覚になりますよ」と笑う。宿泊に使うだけでなく、移動販売の店舗や事務所など、多様な使い方を提案している。

近年のアウトドアブームで、各地のキャンプ場で目にする機会が増えたキャンピングカー。上田さん自身、「欲しいが高くて手が出ない」と購入に二の足を踏んでいたが、「木で造れば材料はたくさんある。木工のノウハウもある」と手作りすることにした。

「受注生産なので、お客さんの細やかな要望にも応えることができます」と話している。納期は約2カ月。

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