兵庫県丹波篠山市内にある鎮守の森でこちらを「じーっ」と見つめてきたのは、フクロウの一種「アオバズク」。名の通り、青葉の茂るころになると東南アジアなどから飛来する夏鳥で、「初夏の使者」でもある。
全長30センチほど。夜行性で、「ホッホー、ホッホー」と鳴く。頭や翼、尾などは黒褐色で、腹部は白と黒褐色が混じる。兵庫県版レッドリストでは、絶滅の危機が増大しているとして絶滅危惧Bランクに指定されている。
同じ場所で記者との再会は2年ぶり。前回も今回も別の鳥を撮影しようと森に入り、ギョロっとした大きな目から送られる視線で存在に気が付いた。
お互い固まったまましばらく見つめ合い、前回とは別個体か子どもかもしれないとは思いつつも、「久しぶりやね」とつぶやきながら数枚シャッターを切る。後ろ髪をひかれつつ、巣作りの邪魔をしてはいけないため、そそくさと現場を去った。
今月10日から16日までは「愛鳥週間」。その最終日に絶滅危惧種と出会ったことに、少しだけ運命を感じた。「子育てがんばって。また会おね」―。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)