公害発生の家畜施設 代執行で撤去可能へ 市が環境保全条例改正方針

2021.06.16
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兵庫県丹波篠山市は、指定家畜飼養施設に関する規制などを含んだ「市環境保全条例」を改正する方針を示した。施設が規制基準に適合していない場合に出す改善命令の実効性をさらに確保するため、改正条例では公害を発生させる事業の停止や施設撤去を命じることや、命令に従わない場合、行政代執行で施設を撤去できるようにする。9月の市議会本会議に提案し、12月1日の施行を目指す。

現在、市内の特定の事業者と住民の間で臭気や騒音などを巡る問題が起きており、市は1事業者に対し改善命令や氏名公表を行っているが解決には至っていない。

今回の改正では、市長があらかじめ第三者機関である市環境審議会に意見を聞いた上で、生活環境を著しく侵害していると認め、条例違反に該当する施設があった場合に効力を有するようにする。

現行条例は、施設の設置届の提出や近隣住家までの距離規制基準などを定めている。条例に違反している場合、指導や勧告、改善命令を行う。昨年9月にも一部改正し、命令に従わない場合は事業者の住所や氏名を公表できるようにした。

市市民衛生課は、「改善命令の実効性を確保するための改正。昨年に改正しているが、より強い手段が必要との声があった」とした。

同条例施行前の1999年3月末までに設置された施設には遡及して適用しない。6月21日から8月10日まで広く意見を募るパブリックコメントを実施する。7月には一般や関係者向けの説明会を開く予定。

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