丹波市木の駅実行委員会会員 髙松良子さん(丹波市)

2021.08.22
たんばのひと

髙松良子さん

木を扱う感覚にやりがい

間伐材をまきにして販売するなど森林資源を循環させる「丹波市木の駅プロジェクト」の実行委員会に入会。山で木を切り、ロープで運び出し、まきを作り、乾燥させるために積み上げる。「その一連の作業の中に自分がいると思えることがやりがい」

県立病院の元助産師。50歳を過ぎた頃に仕事から離れると、地域の自然、歴史や文化、田畑や農作業、地域の人たちの営みに関心を持つようになった。5年ほど前、娘とドライブの途中、同プロジェクトをPRするのぼりが目に入った。帰り道、「吸い寄せられるように」木を保管するストックヤードに立ち寄ったところ、ちょうど作業を終えた会員たちがいた。説明が聞けて、「面白いなと思った」のが始まりだった。

月例会に出席し、山に入るときの注意点などを学ぶ安全講習やチェーンソー講習を受講。山に入ると感じられる気持ちの良い木や風の香り、圧巻の木が倒れていく瞬間、そして機械やロープを使えば、20メートルほどある木が非力な自分でも扱えるという感覚にはまった。

見渡せば緑豊かな丹波の山々も、中に入れば日の当たらない暗い森だった。防災の観点からも、もろい山の現状が見て取れた。木を1本切れば、その分、森に光が差し込むことは実感できる。ただ「森林の問題も、今のコロナもそう。自分にできることは限られている」と言い、自分なりにどう向き合うかを、人とのつながりの中で考えるのが、「活動の面白み」という。先日、知人からカブトムシを育てるのに使う腐葉土がないか尋ねられた。「『あそこに聞けば』とあてにしてもらえたことが、共感を得たようでうれしかった」とほほ笑む。60歳。

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