大イチョウで一服を 黄葉期だけの山中カフェ 「目指しがいある」/兵庫・丹波市

2021.11.26
地域

 

大イチョウの傍に「大樹カフェ 六根」を開いた藤田由里さん、元太さん親子=2021年11月21日午前11時、兵庫県丹波市青垣町大名草で

黄葉シーズンを迎えた近畿最大、常瀧寺の大イチョウ(兵庫県丹波市青垣町大名草)のそばに、期間限定でカフェがオープンしている。麓から1・2キロ、30―40分かけて山道を登ってきた人が腰を下ろし、温かい飲み物で一服。ひと息つきながら、ゆっくり巨樹を眺めている。次のオープンの27、28日が今季最終営業になる。

大イチョウを発信する「常瀧寺の大イチョウ再興プロジェクト」が開く「大樹カフェ 六根」。仏教用語「六根清浄」から店名を取った。地元大名草自治会のグループが整備した東屋が立っており、一部を使わせてもらっている。巨樹の周りにひ毛せんを敷いた床几を置いている。

巨樹を囲むように置かれた床几に腰かけ、一服する見物客

大イチョウのそばで店を開こうと、飲食店営業許可を取得。営業日の朝に水などの物資を担いで上がり、コーヒー、丹波黒大豆きなこラテ、抹茶ラテ(各450円)を提供する。営業時間は午前10時―午後4時半。雨天休業。

同プロジェクトがコンサートを開いた20日の開店初日には80人が来店。翌21日も25人が訪れた。予想以上のにぎわいで、用意していたお茶うけの菓子が初日で品切れになった。

週末に帰郷し、店に立つプロジェクト代表の藤田元太さん(32)=丹波市出身、大阪市=は、「思っていた以上に、多くの人に来ていただいた。これも大イチョウのパワーのおかげ」と喜んでいた。

黄葉見物のために登山をするならカフェの営業日にと、日を合わせて来る人もある。

岐阜県から見物に来た伊藤千世さん(26)は、「幹の太さがすごい。こんなに大きいのは初めて。目指しがいがある」と言い、地元青垣町大名草出身で、市内に住む秋山香代子さん(75)は、「写真だけで、実物は見たことがなかった。ここまで登って来られてうれしい」と喜んでいた。

標高が高い所にありながら大イチョウは色付くのが遅く、麓のイチョウが散ると見頃に。例年11月末―12月初め、落葉した葉が「黄金色のじゅうたん」の絶景をつくる。

同イチョウは、推定樹齢約1300年。幹周り11メートル。県天然記念物。枝からたれ下がるこぶ「気根」が乳のように見えることから「乳の木さん」と呼ばれ、母乳の出がよくない人の信仰を集めた。

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