兵庫県丹波市にある柏原八幡宮の本殿前の鳥居の建て替えが完了し、このほど、同神社で竣功式が営まれた。同市氷上町の「神崎紙器工業」(本社・尼崎市)と同社関係者の寄付により建て替えが実現。式には同社役員らと氏子ら計約65人が出席。玉串奉てんやくぐり初めなどを行い、本殿の前で朱色に輝く雅な鳥居の完成を祝った。同八幡宮は、創建1000年の節目を迎える2024年に奉祝祭を計画しており、老朽化している境内の建築物の改修を進めている。
「令和の大修造」と銘打ち、2億円の寄付目標額を掲げて、今年から改修工事を行っている。
本殿前の旧鳥居は江戸時代に造られたもの。部材内部が腐っており、建て替えが必要だった。
新しく建てられた鳥居は、部材にヒバを使用し、屋根には銅板を葺いた。台石と接する柱の根元は石で出来ており、全国的にも珍しいという木と石の異素材を「金輪継」の技法で継いでいる。
4月初旬から工事に入り、今月初旬に完成した。建設費は約1000万円。
式では、氏子代表総代の大西眞さんが、神崎紙器工業の多額の寄付に感謝を述べ、「来年4月には本殿屋根の葺き替え工事が始まる。大修造は着実に進んでいるが、これからも皆さんの協力を一層いただきたい」とあいさつした。
同社の池田勝海取締役相談役は、「弊社は丹波市では昭和51年に創業、16人でスタートした。事業を拡大して地域に貢献しよう、この地を第二の故郷にしたい、との意気込みで経営してきた」と振り返り、「45年目にして地域の立派な神社の鳥居に名を刻むことができた。これで本当の意味で故郷になった。この地に来て良かったと心から感謝している」と話していた。
千種正裕宮司は「鳥居の改修は当初、最後にと思っていたが、多額の寄進により真っ先に改修ができた。鳥居の改修にめどがついてからというもの、そのほかの改修案件も不思議なことに順調に進み始めた。これも御神慮のおかげ」と喜んでいる。
今後も、境内の厄除神社、透き塀、参道の石段、本殿屋根など、奉祝祭までに順次改修を進めていく。