ワニ・恐竜・鳥類は近縁 丹波竜化石工房で「パレオ・ハぺ展」 両生爬虫類の進化たどる

2022.01.21
地域自然

史上最大級のアリゲーター、デイノスクスの頭部化石などが展示された「パレオ・ハぺ展」=2021年12月16日午前11時37分、兵庫県丹波市山南町谷川で

丹波竜化石工房ちーたんの館(兵庫県丹波市山南町谷川)で冬期特別展「パレオ・ハぺ展―太古の両生爬虫類たち」が開かれている。パレオは「古い」という意味で、ハペは「両生爬虫類学」の略語。丹波地域に広がる約1億1000万年前の地層「篠山層群」は、恐竜時代に生息していたカエルやトカゲの仲間の化石が多数見つかっている世界有数の化石産地で、近年、次々と新しい化石が発掘されている。恐竜たちの陰に潜み生きていた、これら小さな生き物にスポットを当て、進化の過程をたどりながら紹介している。また、恐竜と激しい生存競争を繰り広げた古代ワニの進化にも迫っている。3月13日まで。

カエル、トカゲ、カメ、ヘビ、ワニの進化の過程を紹介し、出現時期やそれぞれの時代の身体的特徴、生態などを約30枚のパネルと約50点の化石や模型などを使って解説している。

両生類の出現を解説したパネルによると、両生類の出現は古生代の後期デボン紀(約3億7000万年前)。魚類の中から手足を獲得したものが両生類となった。両生類は、石炭紀―ペルム紀に繁栄したが、その後、2度にわたる大量絶滅によって大部分を失った。かつての巨大な両生類は絶滅したが、現代における世界最大級の両生類は、日本固有種のオオサンショウウオと紹介している。

爬虫類の出現は、後期石炭紀(約3億1200万年前)。両生類の卵には殻がないため乾燥に弱く、完全に水辺を離れて生活することはできなかったが、爬虫類は硬い殻と羊膜を持つ卵を産むことができたため内陸へ進出し、生活範囲を陸や海、空へと広げたという。

また、研究が進むにつれ、ワニ、恐竜、鳥類が非常に近縁だと分かり、爬虫類は「主竜類」というグループに属すると考えられている。主竜類は現生ワニ類へと続く「ワニ系統」と、現生鳥類へと続く「恐竜系統」からなり、この2つの系統が分かれたのは前期三畳紀(約2億4700万年前)。「私たちが目にしているワニや鳥は、約2億4700万年にわたる過酷な生存競争をくぐり抜けてきた主竜類の生き残り」と説明している。

後期白亜紀には現代型ワニが出現。史上最大級のアリゲーター、デイノスクスが約8000万年―7300万年前のアメリカに生息していたとし、会場には、体長約12メートル、体重約8・5トンを誇ったデイノスクスの頭部化石のレプリカを展示し、来場者を驚かせている。

また、篠山層群で見つかり、昨年11月に新種・新属のドクトカゲ類の仲間として命名された「モロハサウルス・カミタキエンシス」の実物化石を2月6日まで展示している。

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