兵庫県丹波篠山市はこのほど、同市民センターで「マツタケ山復活セミナー」を開いた。県農林水産技術総合センターの職員からマツタケの生態やマツ林の整備方法などについての講演があり、関心のある市民17人が耳を傾けた。
同センターの森林林業技術センター上席研究員の藤堂千景さんが「松林の手入れとマツタケについて」と題して講演した。マツタケは乾燥したやせ地に生えやすいので、表土が薄い山腹上部や尾根部分が最適地となることや、樹木の根と共生しながら生育する「菌根性きのこ」なので、マツの成長を助ける役割があることなどを説明した。
マツタケ林整備で最も重要なことは、「マツタケ発生が可能な林かどうかを見極め、可能性がある場所を小面積でも良いので、重点的に施業することだ」と強調。「シロ」と呼ばれる根元から同心円状に広がる菌糸の集団が見られても元気がない場合は、軽い落ち葉かきや、雑木の整理、適度な間伐を行う「シロ回復施業」が必要だとした。
シロは見つからないものの、マツタケが生えている場合は、地かきをして表土を除去。マツタケが生えていない場合は、マツタケの胞子をまくなどの「シロ増殖施業」が必要だと説明した。