クワガタいきいきと 大切に世話し標本で残す 「みんなで育てた思い出に」

2022.03.16
地域

地域住民が持ち込み、1、2年生と飼育したクワガタを標本にした村井君=2022年2月14日午後1時5分、兵庫県丹波篠山市草ノ上で

兵庫県丹波篠山市立多紀小学校の3年生、村井喜一君が、地域住民が同校に持ち込んだ3匹のクワガタを標本にした。児童たちが大切に世話したものの、昨年末に死んでしまったクワガタが生き生きとした姿でよみがえり、友人や先生、地域住民から関心を集めている。

昨夏、高橋祥男さんがミヤマクワガタの雄(体長8センチ)、ヒラタクワガタとノコギリクワガタの雌(いずれも体長3センチ)を捕獲し、子どもたちに見せようと持ち込んだ。

1、2年生の有志や虫好きの村井君らが土や枯れ葉、枝などを入れたケースで飼育。餌となるゼリーをやったり、霧吹きで水分調整したりして大切に世話した。

3匹が死んだ後、「標本にして残してあげると、飼育した思い出になる」と村井君が提案。家でもたくさんの昆虫の標本を作っている村井君は、ミヤマクワガタの羽を広げた状態で、つまようじを使って1週間ほど固定した。薄い後羽が損傷していたことから、接着剤でくっつけて本来の形に見せるよう工夫。「そこが難しかった」と振り返る。

幼稚園の頃に友人からカブトムシの幼虫を譲り受け、サナギ、成虫に変わる姿を観察して「かわいくて、面白くて感動した」と言い、その後、昆虫のとりこになった。以来、カブトムシを交配させて卵から育てたり、死後は標本にしたりしている。

「オオクワガタでも珍しい雄を捕まえ、雌と交配して繁殖させたい」と言い、「将来は虫博士か、漫画『ブラック・ジャック』を読んでかっこいいと思った医者か、釣り人になりたい」と目を輝かせていた。

押部匡子校長は「死んだ時は羽を閉じていて固まっていたが、羽を広げ、飛んでいるように標本を作っていて感心した。1、2年生も標本を見たり、村井君に質問したりして、とても興味を抱いたよう」と喜んでいた。

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