兵庫県丹波篠山市栗栖野の栗栖野自治会(酒井博之自治会長)が2月19日、同集落内の作業場で、シイタケの菌打ちを体験する行事を催した。幼い子どもや80歳代までの住民約30人が参加。作業場内には、ドリルの音と、「コンコン」と小気味よく打ち込まれる金づちの音が響きわたり、世間話に花も咲いた。コロナ禍で集まる機会が制限される中、久しぶりのにぎわいの場となった。
菌打ち行事は、2014年に催して以来、8年ぶり3回目。「またやってほしい」と住民から待ち望む声が上がっていた。コロナ禍のため、恒例の餅つきなどもなくなる中、久々に老若男女が集う場になればと企画した。
原木はクヌギ、コナラの2種類。昨年12月、自治会所有の山林から木を切り出した。1メートルほどの長さに切りそろえてほだ木にし、全26戸に5本ずつ行きわたるようにして2カ月ほど寝かせた。
若い男性はドリルで穴を開け、女性や子どもらはハンマーで菌が付いた種駒を打ち込むなど住民同士で役割分担し、ほだ木を完成させていった。1本につき約30個の種駒を打ち込んだ。来られなかった住民には、役員らが原木を届けて回った。
日陰で風通しの良い場所に置いておくのが良いといい、生育が早ければ2年後には収穫できるという。
小学3年の女子児童は「複雑な形の木もあって、打つのが難しかったけれど、たたいた音が気持ち良かった。高学年になってから食べるのが楽しみ」とほほ笑んだ。
同自治会の廣瀬英富副自治会長(60)は「思った以上に参加してもらえて、成功だった。たくさんのシイタケが育てばうれしい」と話していた。