駐在さん「ありがとう」 住民がお別れ会 10年勤務、再会誓う

2022.03.28
地域

瀬頭巡査長、とよみさんと共に記念写真に納まる地元住民ら=2022年3月21日午前10時22分、兵庫県丹波篠山市中で

駐在さん、長い間ありがとう―。兵庫県丹波篠山市の大芋活性化委員会(大藤和人委員長)がこのほど、旧大芋小学校舎を活用した施設「泊まれる学校おくも村」で、今月末で退官する篠山署大芋駐在所の瀬頭直樹巡査長(60)、妻のとよみさんとの「お別れ会」を開いた。住民ら約40人が集まり、同駐在所で10年間勤務し、地域を守ってきた瀬頭巡査長に、長年の感謝の気持ちを伝えた。

瀬頭巡査長は2012年3月、同駐在所に着任。連日、校区内をパトカーで巡回し、児童の登下校を見守ってきた。また、小学校や各自治会での交通安全・防犯教室の講師も務め、住民が安心して暮らせる地域づくりにも一役買った。ゲートボール大会など地域の催しにも参加し、柔和な人柄で慕われた。

お別れ会で大藤委員長は「大芋地区でいろんな問題を抱える中、心のよりどころとして相談させてもらったこともあった。パトカーで地域をしょっちゅう巡回いただく姿を見て、安心できた」と感謝し、「また時間ができれば大芋地区に寄っていただければ」と伝えた。

子どもから寄せ書きを受け取る瀬頭巡査長と、妻のとよみさん

大芋活性化委員会から記念品として丹波焼の湯飲みを、地域の住民や子どもたちは花束と感謝の言葉が集まった寄せ書きを贈った。

瀬頭巡査長は壇上で、「九州の田舎育ちの私と妻にとって、大芋の地はどことなく古里に似た雰囲気だった。優しい住民の方に甘えっぱなしの10年間。本当に楽しい毎日だった」と、声を詰まらせながら振り返った。

今後は自宅のある同県宝塚市に戻り、伊丹署野間交番の交番相談員として勤務する。「外出後、当たり前のようにここに帰ってきていた生活が変わるのが残念で複雑」と惜しみながら、「ABCマラソンにはランナーとして参加しようと思っている。(丹波篠山市特産の)枝豆の時期などには、また顔を出させていただく」と再会を誓うと、惜しみない拍手が送られた。

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