兵庫県丹波篠山市が、市内の学校園で提供している給食のレシピ本「日本一おいしい 丹波篠山の給食」(税込1000円)を作成し、販売を始めた。全国学校給食甲子園で優勝したこともある献立のほか、代々受け継がれてきたものや新たに考案したものなど、約150のレシピのほか、特産物や生産者も紹介。担当した学校給食センターの栄養教諭らは、「丹波篠山がまるごと詰まった一冊。市民だけでなく、全国の人に手に取ってもらい、市のPRにもつなげたい」と話している。5月ごろには概要版を市内全学校園の子どもたちに無料で配布する予定。
フルカラーでAB判80ページ。レシピは▽主食▽主菜▽副菜▽汁物―などに分けたほか、お花見献立などの行事献立、豆まめ献立、兵庫や日本、世界の味めぐりなど、子どもたちが普段味わっているメニューを掲載している。
写真にもこだわり、給食で使う食器以外は、丹波焼や市内のガラス、木工作家の器や丹波木綿を使うなど、丹波篠山らしさを詰め込んだ。
2019年度の給食甲子園で優勝した▽黒豆ごはん▽寒ザワラのデカンショねぎソース▽天内芋入り根菜ぼたん汁―などや、20年度に優秀賞を獲得した▽丹波栗と黒枝豆のにぎわいごはん▽丹波地鶏のさんしょみそ▽霧芋の雲海汁―などのほか、「かぼちゃのいとこ煮」やセンターで仕込んだみそを使った「給食のみそ汁」など、世代を超えた”伝統”の味もある。
給食に使用している地元野菜の生産者6団体も取り上げ、子どもたちのために野菜を作り続ける人々を紹介。栄養教諭の手作りイラストを使った献立表や夏休み親子クッキングの様子、給食センターの職員紹介などのページもある。
市内の学校給食は1957年、古市小学校南矢代分校でスタート。82年からは特産物を取り入れた「ふるさと献立」を導入している。
レシピ本を作ることになったきっかけの一つが、センターと学校をつなぐ「給食ノート」。子どもたちが給食の感想を書き込み、センター職員と交流する中で、以前から「レシピを教えて」という声があったことから、「家庭にも給食の味が広がっていけば」と発行に至った。2022年が給食開始65周年となることも記念した。
1年ほど前から、5人の栄養教諭が盛り込むレシピを検討し、長期休業中に調理員が一品一品調理しては写真を撮影した。
製作に携わった栄養教諭の岡田恵美さんは、「生産者のみなさんや調理員さんなどたくさんのみなさんの協力で完成することができた。給食甲子園で高い評価を受けた誇りをつなげることができ、本当にうれしい」と喜んでいる。
市役所本庁、各支所、学校給食センター、市民センター、市内3書店で販売中。市ホームページからの販売やふるさと納税の返礼品にすることも予定している。