「人工蛹室」は、スプーンで縦10センチほどの楕円形に掘り、深さは5センチほど。ビニール手袋をはめ、さなぎを土から優しく“引っ越し”させた。約1週間で羽化が始まり、3日連続で計8匹が成虫に。「見ていて『うおー』って思った」(荻野君)
もともと昆虫好きで、昨年からカブトムシの世話を始めた。偶然、昨年のペアが飼育ケースで卵を産んだことから、羽化を目指して成長を見守った。やがて卵がかえり、60匹ほどの幼虫が2センチほどの大きさになると、お腹にある模様を見て雌雄を判別し、それぞれ別の衣装ケースに移した。
人工蛹室作りは、「羽化する様子が気になったから」と笑顔。昆虫の本で存在や作り方を知っていたと言い、好奇心が行動力を駆り立てた。
土の中で成虫になる通常の方法で誕生したものも含め、計20匹の羽化に成功した。“多頭飼育崩壊”にならないよう、友人に譲っており、自宅では数匹を飼育している。
クワガタムシやキリギリスも大切に飼っている。「カブトムシは、かっこいい。家の犬よりかわいい」と笑顔。「でも、今年は普通に飼うだけかな」とほほ笑んだ。