日本三大杜氏の一つ「丹波杜氏」の里・兵庫県丹波、丹波篠山両市の蔵元7社で組織する「丹波・篠山酒造組合」(山名純吾代表理事)が、7蔵元それぞれの銘酒をブレンドした日本酒「丹波七蔵GOLDEN MIX」を開発。「日本酒の日」の10月1日に発売する。新型コロナ禍により到来したキャンプブームに着目し、「日本酒をキャンプ場で手軽に楽しんでほしい」と、ソロキャンプでも飲み切りやすく、飲み残しても管理しやすい180ミリリットルサイズのアルミボトル缶で販売する。550円。
伝統ある各蔵元の個性が光る銘酒の味わいを生かしながらも調和の取れた絶妙の比率でブレンドした逸品。ブレンドした銘柄は、奥丹波(山名酒造)、花鳥末廣(鴨庄酒造)、黄桜(黄桜・丹波工場)、小鼓(西山酒造場)、櫻一文字(櫻酒造)、秀月(狩場一酒造)、鳳鳴(鳳鳴酒造)。
国税庁の日本産酒類の販路拡大・消費喚起に向けたイベント推進事業「Enjoy SAKE!プロジェクト」の選定事業を活用した。
当初は、キャンプ場で7蔵元の酒をそれぞれ味わってもらうイベントを計画していたが、西山酒造場の蔵主、西山周三さんが各蔵元の酒をブレンドした商品の開発を提案した。
古くから醸造元が自らの蔵の酒をブレンドし、酒質の向上を図ることはしてきたが、他の蔵の酒をブレンドすることは極めて珍しいという。
今春から開発に着手。ブレンドするに当たって、毎年春に7蔵元が醸した新酒の出来栄えを「きき酒会」で審査している大阪国税局鑑定官にテイスティングを依頼。鑑定官が吟香、熟香、濃淡、甘辛、後味の5つの項目について7蔵元それぞれの酒の特徴を分析し、それらのデータをもとに同組合にアドバイスを送った。同組合は助言をもとに商品化に向けたブレンド比率を決定した。
「酒質が全く違う各蔵元の酒が合わさるとどんな酒になるか不安もあったが楽しみでもあった。結果、調和のとれた酒に仕上がった」と喜ぶ西山さん。他の組合員も「日本酒離れにコロナ禍が追い打ちをかける中、逆境を跳ね返すには新たな挑戦が必要だった。これを契機に『日本酒っておいしい』をPRし、新しい客層開拓に努めたい」などと気合を入れている。
山名代表理事は、「やや辛口で力強い風味。日本酒らしいうまさを味わって。秋の野外では、ぬる燗がお勧め」と話している。
酒類販売小売店やキャンペーンサイトで、1万本の数量限定で販売する。