丹波市の指定ごみ袋、燃やすごみ用袋の「中」が、9月末から在庫切れになっている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、製造元の工場がフル稼働できていないことに加え、海外からの原材料のポリエチレンの輸入が不安定になっていることなどが要因。市環境課は、「10月11、12日には、納入が遅れていた9月の発注分が入荷し、いったん在庫が回復する。それまで『大』か『小』の使用をお願いしたい」と呼び掛け、安定供給できる工場に乗り換える。
京都府長岡京市に本社がある商社を通じ、大分市の工場でロール型の袋を製造している。工場で感染者や濃厚接触者が出たため、製造ラインがフル稼働できず、受注がたまり、納入遅れが生じた。丹波市分は、「大」「小」は作れるが、「中」に手が回らなくなった。新型コロナで国際物流の混乱もあり、原材料が安定的に入荷しにくくなっていることも影響しているという。
市の指定袋の販売量が多いショッピングセンターやスーパーの一部で、5月の大型連休から発注数の半分程度の納入とし、他は調整をかけていなかった。8月の盆ごろから供給が細り、あちこちで調整を始めたが、9月末に「中」が底を突いた。
同課によると、同じ工場で、加西市、京都府亀岡市、三重県名張市、広島県呉市なども指定袋を製造している。丹波市分は、製造ロットが小さく、「中」以外はどうにか製造を続けているが、人口が多い市の袋は製造が間に合わなくなっている。このため、呉市、名張市は、燃えるごみを出すのに、指定袋でない市販の袋を使用できる臨時措置を講じている。亀岡市は、昨年度末で業者を変えた。
丹波市でも市販の透明袋の臨時使用を検討したが、指定袋の「大」と「小」は在庫があること、透明袋の在庫がホームセンターに潤沢にあるわけではなく、かえって混乱を招きかねないと、臨時使用に踏み切らなかったという。
近く、一時的に品切れは解消するが、今月注文分の入荷時期は不透明。安定供給に向け、作る工場が少ないロール状から、平袋に形状を変え、別の工場で製造する。平袋は、12月下旬か年明けから流通が始まる。指定袋の値段は変わらない。
市から販売店への納入量は、年間で燃やす「大」70万枚、「中」60万枚、「小」40万枚、プラの「大」「中」が各20万枚。燃やす袋の製造原価は、1枚当たり「大」が13・97円、「中」が9・68円、「小」が8・25円(いずれも税込み)。ロールでも平袋でも製造コストは変わらないという。
コロナで国内回帰が進んでおり、人員と材料がそろい、安定的に製造できる工場は奪い合いになっているという。市は次の製造先を確保したが、間に入った商社が苦労したという。