「丹波栗」一番人気 秋の味覚検索人気度 Google Trendsから分析

2022.11.23
地域

丹波栗、丹波松茸、丹波黒枝豆(左から)

秋の味覚を求め、阪神間から買い物客がどっと押し寄せた9、10月の兵庫県丹波地域(丹波篠山市と丹波市の2市)。「丹波栗」「丹波松茸」「丹波黒枝豆」について、9月1日―10月31日の国内のネット検索動向を調べた。検索人気度は、「丹波栗」が一番高かった。兵庫県と京都府にまたがる「丹波」のうち、兵庫丹波の「丹波篠山市」「丹波市」を関連付けたの検索人気が高かった。特に「篠山(丹波篠山市)」と関連付けた検索人気が高く、「丹波」を省いた「黒枝豆」でも、「篠山」の関連検索度が高く、ブランドイメージの強さがうかがえた。

「Google Trends」を使って調べた、丹波栗、丹波松茸、丹波黒枝豆の検索件数のグラフ

調査は「Google Trends」を使い、11月14日に実施した。最高値「100」を基準に相対的な度合いを計るもので、「50」は「100」と比べて人気が半分であることを意味し、検索件数を計るものではない。

「関連トピック」(以下トピック)、「関連キーワード」(以下キーワード)は、合わせて検索される人気が高い語句。

■3品目の比較
期間中の平均人気度=グラフ1=は、「丹波栗」が42、「丹波黒枝豆」が28、「丹波松茸」が8。「丹波松茸」は、気軽に買い求める対象でないからか、人気度が低い。次に個別の人気度を見る。

■「丹波栗」
丹波栗は10月28日が人気度ピーク。9月初旬から人気度が高まり、9月29日―10月12日(11日を除く)の注目度が一段と高かった。「丹波栗」を100としたときの「トピック」は、4位が「丹波篠山市」の28、5位が「丹波市」の13、12位が「京都府」「亀岡市」の4、21位が「兵庫県」「京丹波町」の3―など。同様に「キーワード」は、3位に「丹波篠山栗」と「丹波篠山」の23が現れる。

生産量、栽培面積共に丹波市の方が丹波篠山市より多く、兵庫県と京都府の広域品評会でも好成績を残しているが、「丹波市」は、市名に「丹波」を含んでいるため、「丹波市」を念頭に検索を試みたのかどうかを読み取るのは難しい。

検索されている場所は、近畿地方に集中。「兵庫県」を100とすると、「京都府」59、「大阪府」36など。近畿外は、「神奈川県」5、「東京都」4、「北海道」3、「愛知県」2。

■「丹波松茸」
「トピック」3位に「丹波篠山市」32、8位に「丹波市」7と出る。

「キーワード」も2位が「丹波篠山松茸」31、4位が「丹波篠山松茸料理」11。

■「丹波黒枝豆」
子実も含め、約780ヘクタール(2021年)と国内の「丹波黒」栽培面積のおよそ2割を占める日本一の産地で、栽培面積の3割を枝豆で販売する丹波篠山市関連が際立つ。

検索人気のピークは10月15日。9月30日、10月5日もピークに近く、10月29日でもピーク時の77%だった。

「トピック」の4位が「丹波篠山市」41、10位が「丹波市」「京丹波町」「丹波篠山黒豆畑」3―など。「キーワード」は、3位が「黒枝豆丹波篠山」42、4位が「丹波篠山」41、6位が「丹波黒枝豆直売所」11、9位が「丹波黒枝豆解禁日2022」9、10位が「丹波篠山黒枝豆2022」4と、丹波篠山関連が並ぶ。

検索場所は「兵庫県」100、「大阪府」49、「京都府」45、「東京都」2。

■「黒枝豆」
「丹波黒枝豆」より「黒枝豆」の方が、検索人気が高い=グラフ2。期間中の平均人気度は、「黒枝豆」29、「丹波黒枝豆」14と2倍の開きがある。「丹波黒枝豆」の人気ピークの10月15日が「黒枝豆」の検索もピーク。「黒枝豆」を100とすると「丹波黒枝豆」は39で、「黒枝豆」の人気は飛び抜けている。

「トピック」の5位は「丹波篠山市」19。関連キーワードの4位が「篠山黒枝豆」20、6位が「丹波篠山」「黒枝豆丹波篠山」17と、丹波篠山市が関連付けて検索されており、丹波の冠がなくても「黒枝豆=丹波篠山」のイメージが強いことがうかがえる。

「黒枝豆」と「丹波栗」を比べると、期間中の平均は「黒枝豆」29、「丹波栗」21。ピークの人気度は「黒枝豆」を100とすると、「丹波栗」は49。

■「栗」「松茸」「黒枝豆」
「丹波」を省略し、「栗」、「松茸」で調べると、検索人気が高いのが、「ご飯」「レシピ」などの調理方法。地名は上位に出てこない。検索されている場所は、「栗」は「茨城県」と「岐阜県」が100、「松茸」は「長野県」が100、「岩手県」が68と、いずれも大産地で多くなっている。47都道府県中、「兵庫県」は「栗」が57(25位タイ)、「松茸」15(18位タイ)だった。

ここに「黒枝豆」を加えた人気度は、「栗」が49、「松茸」が6、「黒枝豆」はわずか1=グラフ3。栗と松茸は全国で取れ、関心が高い。

「黒枝豆」「丹波黒枝豆」とも近畿地方以外でさらに知名度を高めれば、成長する余地が大きくあると言えそうだ。

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