愛犬のびのび 高校に手作りドッグラン 保護者の声受け初開放

2022.12.09
地域

飼い主や生徒らが見守る中、ドッグランで気ままな時間を過ごす犬=兵庫県丹波篠山市福住で

兵庫県立篠山東雲高校で、動物の飼育などについて学ぶ「アグリサービス類型」の2年生7人がグラウンドにドッグランを手作りし、一般に開放する初めてのイベントがあった。保護者から「犬をのびのびと走り回らせる場がない」という声を受け、企画。12組が参加し、ドッグトレーナーからしつけの仕方などを教わった後、愛犬を自由に走り回らせていた。

程よく雑草が生えたグラウンドの一角(約450平方メートル)に高さ約1・5メートルのネットを張って囲った。内側には朝礼台にはしごを付け、すべり台をイメージしたアトラクションも設けた。

学校近くにある犬のしつけ方教室「Gutie integrated」(同県丹波篠山市福住)を営む梶原久美さんら3人のドッグトレーナーが講師を務め、生徒たちもトレーナーの話に耳を傾けた。犬の安全を考慮し、入場時間は、犬の大きさで分けた。

梶原さんらは、ドッグランに入る前に、飼い主に、犬と過ごす際の心構えやしつけについて指導。「ドッグランに犬を入れるのは酔っ払いを野に放っているのと同じ」と注意喚起。危険なものがないか、飼い主と犬が一緒にドッグランを回って確認した。

広々としたドッグランを走り回ったり、他の犬とじゃれあったりして気ままに過ごす愛犬の姿に、飼い主たちは「かわいい」「えらいえらい」と目を細めていた。

梶原さんらは、それぞれの犬の性格に応じた、しつけに関する飼い主の相談にも乗っていた。「怒る場合は、犬の動作が終わった後では駄目。動作をするまではオッケーだと思ってしまう。動作をする前に怒ること」などと説いていた。

梶原さんは「ドッグランは社交の場であり、いろんな犬がいるということを観察する場でもある」と話していた。

特に元気よく走り回っていたジャック・ラッセル・テリアの「マイロ」と共に参加した小玉悦子さん(47)は「他の犬との関わり方などについて、いろいろと勉強できて良かった」と顔をほころばせた。

同類型の西嶋一惺君は「地域との交流がいかに大切か分かった。学校で飼育している犬の学習を深め、ドッグランの活動を継続していきたい」と話した。

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