ロシアによる侵攻で電力不足の厳冬を迎えているウクライナの人々へ「携帯(使い捨て)カイロ」を届けようと、11月末まで購入費用の寄付を募っていた兵庫県丹波篠山市は7日、目標の2・5倍超となる257万5000円の寄付金が寄せられたと発表した。本紙などがネットニュースに配信したこともあってか、市民だけでなく北は北海道、南は宮崎県から寄付があり、市は、「予想を大きく超える支援。みなさんの温かい気持ちをウクライナに届けたい」と喜んでいる。
目標額100万円、カイロ6万個に設定していた市は、多額の寄付を受けて2倍超の15万個を購入する。年末にも連携するウクライナ大使館(東京都)に目録を引き渡し、1月初旬にコンテナ船でウクライナへ搬送、2月に到着する予定。
電気も火も使わないカイロの支援は、市民からの提案を受けて企画(関連記事に詳細)。11月10日から30日まで受け付けた結果、市役所など市内10カ所に置いた募金箱に約65万円、自治会などから約30万円、個人の市民から10万円、市内の各種団体から約8万円が寄付されたほか、市外から約144万円が寄せられた。
市は当初、市民からの寄付を想定していたが、ネットニュースなどで知った全国15都道府県の人々から寄付の申し出があり、現金書留で受け付けることに。中には個人で50万円を寄付した人もあった。
書留に同封された手紙には、「ウクライナの方々がいくらかでも寒さをしのげれば」「電力を失っているウクライナの皆様になんとかカイロを送れないかと思案していたところ、取り組みを知りました」などのメッセージもあったという。
市によると、全国各地の人々や一部自治体から「同様の支援を行いたいと考えていたので、取り組みを教えてほしい」という問い合わせもあると言い、支援が広がりを見せようとしている。
市地域振興課は、「何とか冬の間に送ることができる。『本当にありがたい』の一言で、みなさんに感謝したい。寄せられたメッセージも大使館に届けたい」と話している。