花じゃないけど… すっくと「フユノハナワラビ」 落ち葉の間に

2022.12.03
地域自然

山際の土手ですっくと茎を伸ばし、胞子が詰まった胞子葉を開くフユノハナワラビ=兵庫県丹波市内で

花ではありません―。兵庫県丹波市内の山際の土手で、落ち葉の間をすり抜けるようにして柄を伸ばしたフユノハナワラビが見られる。

ハナヤスリ科。本州から九州にかけて、日当たりの良い山地や草地に自生する多年生のシダ植物。

秋に地表近くで、栄養分を作り出す栄養葉を広げ、冬には黄茶色の胞子の詰まった粒を穂状に付けた胞子葉を高さ20センチほどに伸ばす。この姿があたかも花のようであることからこの名が付いた。

山野草が好きという男性(80)は、「他の花が枯れて見られなくなる11月中頃から、毎年この付近で見ている。面白い姿をしているのでよく目立ち、鉢植えにしようと持ち去られることが多い。花が少なくなってくるこれからの時期だからこそ、野にそっと咲かせておいてやってほしいですね」とほほ笑んだ。

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