鉄などで作られ、人や物が落ちないように道路脇の側溝などに設置されている格子状のふた「グレーチング」の盗難が、兵庫県丹波市内で相次いでいる。同県警丹波署によると、今年3月25―6月14日の約3カ月半で25件発生。特に山南地域で目立つ。同署は「通行人が気付かずに落ちてしまい、高齢者の場合、命に関わることもある。普段ならグレーチングがある個所から無くなっている可能性もあることを頭に入れて通行を」と注意喚起している。
被害額は108万円に上る。同署は窃盗の疑いで調べを進めており、転売目的の可能性が高いとみている。新型コロナウイルスが落ち着き、経済活動が再開して需要が急回復したことに伴い、金属価格が高騰している。
監視カメラがなく、人通りも少ない場所を狙った傾向があるという。特に山南町と丹波篠山市を結ぶ県道77号篠山山南線沿いで多発。同町は市内で最も被害が多く17件。7割近くを占めている。4月11日には同町山崎集落の市道山崎金屋線沿いの側溝で、一気に53枚がなくなっているのが見つかった。
山南以外の発生件数を地域別でみると、氷上が1件、春日が3件、市島が2件、青垣が2件で、柏原は0件。
盗難防止のため、同署や市は道路パトロールを強化している。市はホームページや防災無線などでも警戒を呼びかけている。また、グレーチングが盗まれた場所に通行人が誤って落ちないようにコーンや看板を設置。グレーチングや、代わりになるふたの購入を検討している。
同署は「グレーチングが山積みにされている家があるなど、不審な点があれば通報を」と呼びかけている。