兵庫県丹波篠山市内の工芸作家5人がタッグを組み、優雅に紅茶を飲みながら軽食を楽しむ「アフタヌーンティー」用のアイテム一式を共同製作した。ジャンルの違う作家の個性を生かし、一線を画した「和風」なアイテム。7月5日まで京都陶磁器会館(京都市)で開かれている作品展「里山から風の旋律展―アフタヌーンティーの調べ」で展示している。
製作したのは加古勝己さん(陶器)、竹内保史さん(磁器)、藤田靖彦さん(革)、稲葉崇史さん(木工)、児玉みのりさん(ガラス)。
ティースタンドの両サイド部分(高さ約25センチ)はブロックを組み合わせており、温かみのある肌色の陶器と、白と緑、茶色などが透き通るガラスの2パターンがある。無骨さと繊細さの両方を感じさせる。持ち運びもしやすい。
茶菓子をのせるティースタンドのプレート部分(幅約50センチ)は、サクラとクルミの2種類の木材を使用しており、手触りが良い。
ティーポットやカップなどの器は、白色の陶器と、薄水色の王地山焼の磁器。ティーポットに被せる保湿カバー「ティーコージー」は上品な革で作った。
加古さんが、NPO法人・食空間コーディネート協会近畿支部に所属する知人から、「『和のテイスト』のアフタヌーンティーアイテムを作ってほしい」と依頼を受けた。「作り手と使い手をつなぐ」をコンセプトに、自身が代表を務める工芸イベント「丹波篠山クラフトヴィレッジ」を通じてつながった作家4人に協力を打診した。
同会員と打ち合わせを重ね、各作家の作風やアイデアを取り入れながら完成させた。加古さんと竹内さんが作品展を開いたことがある同会館での作品展も実現した。
加古さんは「『アフタヌーンティーとは何か』というところからのスタート。最初はどうなるか分からなかった」と苦笑し、「作品作りの違う発想が得られた。これもコラボの醍醐味。『クラフトヴィレッジ』の構想が形になった」と喜んでいる。
作品展の開催時間は午前10時―午後6時(最終日は午後5時まで)。木曜休館。
◆アフタヌーンティー◆ イギリスの貴族間で、社交を目的として19世紀中頃に始まったとされる喫茶習慣。昼食、夜食間の小腹が空く時間帯に、紅茶と共にサンドイッチやスコーン、スイーツなどを味わう。近年、若い女性を中心に、ホテルやカフェなどでアフタヌーンティーサービスを楽しむことが「ヌン活」と呼ばれ、流行している。
●製作アイテム使い「パーティー」開催●
兵庫県丹波篠山市内の工芸作家5人が製作したアイテムを使うアフタヌーンティーパーティー「里山からの風に誘われて―安らぎのひとときを」が7月8日、京都市国際交流会館和風別館で開かれる。午前の部は11時―正午、午後は1時半―2時半。参加費は3500円。各回先着20人。
ケーキやガレット、パンなどの軽食は、「ウッズビー」「ササヤマキッチン」「ちいさなパン畑」が提供する。いずれも丹波篠山市内で店舗を持ったり、活動したりしている。「熊野園」(味間奥)の紅茶も味わえる。
所定のURL(https://ssl.form-mailer.jp/fms/ae0b53d9771723)に必要事項を記入し、7月5日までに申し込む。