「丹波の作家ここにあり」
3代目柏里を名乗る彫刻家。自らの制作に専心する一方、丹波市美術作家協会の2代目会長を務める。同協会は、きょう4日まで丹波の森公苑で11回目を数える作品展を開催。絵画、彫刻、工芸、書、写真、グラフィックアートの6分野の作家23人が意欲作を出品している。
同協会は2011年に発足した。市島町の画家、木寺明さんが音頭を取り、磯尾さんも発起人に名を連ねた。それまでにあった丹波美術協会の発展的解消を受けて設立されたものだった。
丹波美術協会は1968年の発足。「丹波を美術の里に」とのスローガンを掲げ、市内の絵画や彫刻の愛好家が出品する展覧会を年に1回、開催してきた。発足以降、青垣日本画展など全国公募展も開催されるようになり、所期の目的は達したとして解消。新たに丹波市美術作家協会を立ち上げた。同協会の会員は、プロ作家として認められる市内在住者に限った。
「丹波の美術を市外に発信するというのが協会を設立した目的でした」という。柏原高校美術部OBでつくり、磯尾さんも会員だったグループ「MAY BE」は30年ほど前、神戸市で作品展を開催し、神戸の作家たちに丹波の美術の水準の高さを知らしめたことがあった。「その時のような活動が協会ではまだできてない。京阪神はもとより他地域に出て行き、『丹波の作家ここにあり』と示したい」という。丹波篠山で開かれている「まちなみアートフェスティバル」のように、町なかを会場に作品を点在させ、歩いて巡りながら美術に親しんでもらうイベントも開催したいという。
「先人たちの築いた美術文化の土台に立ち、新しいことに挑戦したい」。63歳。