兵庫県丹波篠山市学校給食センターは、地産地消、食育の一環として今月2―8日の平日の5日間、同市内の全学校園の給食に丹波篠山産のお茶を使用した献立を提供した。最終日の8日の献立は、粉末茶葉を米粉の生地に練り込み焼き上げた「お茶パン」。園児や児童、生徒たちは、断面が淡い緑色で、ほのかにお茶の香りが漂うパンをおいしそうにほおばっていた。
2011年度から毎年、茶摘みが始まり新茶の季節を迎える5月下旬―6月上旬に「丹波篠山茶週間」を設定し、市の特産物「丹波篠山茶」を使用した献立を毎日1品ずつ日替わりで給食に取り入れている。
今年度は、お茶パンのほか、お茶ふりかけ、緑茶和え、サワラの茶ノベーゼソース、新茶のかき揚げを提供した。
お茶パンには、丹波篠山産大納言小豆を使ったあんを添えた。パンのほのかな苦みと甘いあんがマッチし、子どもたちは「おいしいー」と笑顔でかぶりついていた。
1200年前から続く県内随一の茶の生産地、味間地区の小学校として、丹波篠山茶について学びを深めている味間小の4年生(93人)は、5月に同地区で茶摘み体験や製茶工場見学を行ってきたばかりで、お茶の献立にも興味津々の様子。クラスメートとにぎやかに食べていた女子児童は、「パンにお茶が入っているので苦いかなあと思ったけれど、そんなことはなく、少しさわやかな香りともちもち食感でおいしかった。お茶は飲むほかにも、てんぷらやソース、和え物にしたりと、いろんな食べ方があることが分かった」と話していた。