近畿圏内の大学生らによるプロジェクトチームが、兵庫県丹波篠山市特産の黒枝豆の中で、味に変わりはないのに、さやの見た目で廃棄されてしまうB級品を活用した「黒枝豆ようかん」を開発。海外での販売を目指し、今月末まで、インターネットを介して事業費用の寄付を募るクラウドファンディング(CF)に挑戦している。学生らは、「物価が高い海外で販売し、農家の収入増につなげたい。将来は日本に“逆輸入”し、どこにでも売っている商品になれば」と夢を描いている。
塩ゆでした規格外品の黒枝豆をようかんに入れた。学生らによると、「枝豆があることで、フレッシュで食べやすい」という。
同市味間奥の農業会社「アグリヘルシーファーム」の枝豆を活用し、同市立町の老舗和菓子店「梅角堂」が手がけた。
ようかんを選んだのは、「和菓子は日本文化の一つとして発信でき、ようかんはその中でも日持ちする」ためで、海外から先に販売するのは、「海外で人気を博したものを逆輸入することで、話題性と付加価値を付けられる」と考えた。
7月13日に中国・上海で行ったテストマーケティングを兼ねた試食会では好評を得たと言い、8月末には米・サンフランシスコでも販売会を行う。
クラウドファンディングで枝豆の仕入れ費用や量産化の費用、海外での調査費用などを募っており、目標は100万円。目標に到達しない場合も集まった金額で実施する。寄付額に応じた返礼品「リターン」には、黒枝豆ようかんや次回開発プロジェクトの参加権利、黒枝豆の収穫体験などを用意している。
県の「ひょうごTECHイノベーションプロジェクト」の一環で、EXest社(東京)と市が実施する規格外品を使った商品開発と世界販売を目指すイベントの一つ。呼びかけに応じた学生らが農家の意見を聞きながら活用を考えた。
その中で大阪大や兵庫県立大、神戸学院大の5人でつくるチームがようかん開発を担った。大阪大大学院の野原多朗さん(24)と道畑勝利さん(25)は、「廃棄されるものを活用して販売できれば、厳しい1次産業の構造を変える第一歩になる」と言い、「最終的には黒豆以外の特産にも応用して活動を続けていきたい。ぜひ協力を」と呼びかけている。
クラファンは、サイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で実施中。