兵庫県丹波篠山市立町に、大正時代に建てられた元銀行を活用したホテル「Mai(メイ)」がオープンした。大正レトロな雰囲気を生かしつつ、昭和初期のアンティークの調度品や、現代の職人の手による内装など、随所に時代を超えたこだわりを持たせており、スタッフらは、「単なる滞在ではなく、何かのきっかけやインスピレーションを得てもらえるような場所になればうれしい」と期待している。
瓦ぶきで木造2階建て。大正時代に建てられ、昭和48年(1973)まで、「京都相互銀行」の支店として使用されていた。「フランス落とし」と呼ばれる鍵のある窓など、さまざまな場所に大正らしさが色濃く残る。
1階はフロントで、2階が宿泊エリア。貸し切りで一日1組限定(大人5人まで。子ども連れは最大7人)。トイレや浴室、簡易キッチンを備える。
和室の壁には和紙作家が手がけた炭・柿渋染めの和紙を張り、寝室にはかやぶき職人による竹の装飾を配置。照明やテーブル、絵画などもアーティストの作品を活用した。
西側の開放的な窓からは篠山城跡を望むことができ、毎年8月のデカンショ祭の際は、花火も一望できる。
城下町で古民家ゲストハウスやカフェなどを運営する株式会社「KiBBuTZ(キブツ)」が購入し、ホテルに改修した。
11月ごろには1階にレストラン&カフェバーがオープンする予定。
フロントの清洲理子さん(24)は、「しつらえに感動してくださるお客さまや、職人さんのファンの方もおられる。ただ泊まるだけでなく、作品に囲まれたぜいたくな空間を楽しんでもらいたい」と笑顔で話している。
宿泊費は時期や人数によって変動する。9月30日まで、公式サイトからの予約に限り、オープン記念として1組5000円割り引く。