地の酒と味覚堪能して 30日と1日に初の「サケフェス」 酒造り集団「丹波杜氏」のふるさとで

2023.09.28
地域注目観光

初のサケフェスティバルへの来場を呼びかける鳳鳴酒造の西尾社長(左)と櫻酒造の鳥井工場長=兵庫県丹波篠山市呉服町で

兵庫県丹波篠山市北新町の大手前南駐車場で30日と10月1日の2日間、地元の日本酒と特産品を味わう初のイベント「丹波篠山 サケフェスティバル」(実行委員会主催)が開かれる。毎年10月1日の「日本酒の日」に合わせ、日本を代表する酒造り集団、丹波杜氏のふるさとである丹波篠山で、杜氏の歴史と伝統技術を伝えつつ、地元の2酒蔵が醸す酒を特産と共に堪能してもらおうと企画。実行委は、「丹波黒枝豆には早い時期だが、観光シーズンで観光客も多いはず。丹波篠山と日本酒の良さを感じてもらえたらうれしい」と来場を呼びかけている。

30日は午前10時―午後4時、1日は午前10時―午後3時で、鳳鳴酒造(呉服町)と櫻酒造(井ノ上)が参加。10枚つづりのチケット(当日1500円、前売り1200円)を使い、2酒蔵が出品する日本酒を試飲することができる。銘柄に応じてチケットは1―3枚を使う。試飲は1杯60ミリリットルで、さまざまな種類を味わいつつ、お得感もある。

鳳鳴酒造は大吟醸や純米吟醸、純米など「ひやおろし」シリーズ6種を、櫻酒造は、「櫻一文字」「丹波櫻」の2種を出品。丹波地域の7酒蔵の銘酒をブレンドした「丹波七蔵GOLDEN MIX」もある。酒を購入することもでき、2酒蔵お勧めの福袋もある。

“酒のさかな”になる飲食ブースは地元の6店が出店。黒豆ソバスナックや猪焼肉、とろろそば、丹波篠山牛ステーキ、ホルモンみそ煮込みなど、黒豆や栗、山の芋、肉などの丹波篠山の特産品を使った料理を販売し、地の酒に地の味覚を合わせる。

ステージでは丹波杜氏組合が酒造りを語るトークタイムや、丹波流酒造り唄保存会、バンドなどの公演もある。

チケットに付いている応募券で参加できるお楽しみ抽選会は両日とも午前午後に2回実施。試飲をして特徴などの問いに全問正解した人に景品を贈る「きき当て大会」(参加費200円)もある。

企画した鳳鳴酒造の西尾和磨社長(61)は、「今年は日本酒の日が日曜日ということもあり、『何かしないと』と。地酒と地元食のマリアージュを楽しんでほしい」と話す。呼びかけに応じた櫻酒造の鳥井浩司工場長(50)は、「他の酒蔵さんと一緒にイベントをすることがなかったので、お声がけいただきありがたい。丹波篠山の米と水を使った酒をPRするチャンス」と意気込む。

コロナ禍を経て、少しずつ「外飲み」や宴会が戻りつつあるが、日本酒の消費は以前のように戻っていない。フェスを通し、もう一度、日本酒の味わい深さを知ってもらいたい考え。西尾社長は、「2025年には大阪・関西万博に合わせて丹波篠山国際博が計画されている。日本酒業界としても盛り上げていくために、国際博のプレプレイベントくらいの気持ちで取り組み、ここから大きな輪が広がっていけば」と言い、「1度の開催で終わらず、いろんな人を巻き込みながらイベントを育てていけたら」と前を向く。

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