兵庫県丹波市教育委員会は、来年度から、市内小中学生が現校区の学校か、自宅に近い学校に通うかを選べるように関連要綱を変更した。現校区の学校より近くに別の学校がある場合、希望すれば通うことができる。市教委は、クラス編成など学校運営に支障が出ないようにするため、10月末まで来年度分の申請を受け付けている。ホームページや認定こども園、各小中学校を通じて周知している。
丹波市教育委員会は、来年度から、市内小中学生が現校区の学校か、自宅に近い学校に通うかを選べるように関連要綱を変更した。現校区の学校より近くに別の学校がある場合、希望すれば通うことができる。市教委は、クラス編成など学校運営に支障が出ないようにするため、10月末まで来年度分の申請を受け付けている。ホームページや認定こども園、各小中学校を通じて周知している。
現校区以外の学校に通う“区域外就学”を認める理由に、「距離的理由」を加えた。これまでの要綱では、家庭の事情や身体的な理由がある場合などに認めていた。
市教委は昨年度、基礎資料として、各自治会公民館を拠点に学校までの距離を計測。現校区の学校より近い距離に別の学校がある地域が、小学校で8自治会、中学校で14自治会あった=表。
とりわけ氷上地域では、現校区の学校より近くなる自治会が複数ある。例えば、石生南町自治会の中学生は現在、公民館から計測すると5・5キロ離れた氷上中に通っているが、柏原中だと1・2キロになり、4・3キロ近くなる。
ただ、あくまで公民館からの距離測定のため、同じ自治会でも「距離的理由」に該当するかどうかは家庭によって違うケースがある。柏原町南多田自治会を例に取ると、現校区の崇広小に通う方が近い児童もいれば、校区外の東小に通う方が近い児童もいる。崇広小の方が近い児童は、東小を選択できない。自宅から現校区の学校と就学希望校までの距離が、それぞれ分かる書類を添付して申請する。
5日にあった市議会一般質問で、この件を取り上げた奥村正行議員は、「通学路の距離が短くなるのは交通安全対策になる」と評価。一方で、保護者への周知には丁寧さを欠いていると指摘し、「要綱が変わったことだけを知らせても伝わりづらい。『近く(の学校)に行け(る場合があり)ますよ』と丁寧に書いておかないと」とした。市教委の足立勲部長は「分かりやすい説明をする工夫をしたい」と返した。
市教委は「過去には文部省から通学区域の弾力化に関する通達もあり、制度を用意する必要があると考えた」としている。