兵庫県丹波市立前山小学校3―6年生計47人が14日、近くの田んぼで稲刈りを体験した。前山地区の老人会「和光会」が主催し、同校でおよそ30年続く伝統だが、来年度は統合を控えており、最後の行事となった。同会の会員や保護者ら計約20人の指導のもと、5月に児童が植えたコシヒカリの稲をテンポよく刈った。
同会の近藤正俊さん(74)=同市市島町上竹田=の田んぼ(約10アール)で行った。スムーズに刈るには稲をねじり、地面に対して鎌を平行に振れば良いというアドバイスを受け、「ギコギコ」と言いながら楽しげに刈り進めていた。こつをつかみ、わずか30分ほどですべての稲を刈り終えた。
その後は、田んぼに残る稲を拾い、同会の会員や保護者に手渡してコンバインに入れていった。全員で力を合わせ、約300キロを収穫した。12月におにぎりにして味わう予定。
3年生の女子児童は「稲を刈るのも集めるのも楽しかった。食べるのが楽しみ」とはにかんだ。6年生の男子児童は「一発で刈れたら気持ち良かった。みんなで集中して、楽しく早くできた」と充実感をにじませた。
同会の荻野啓(はじめ)会長(75)=上竹田=は「なかなか元気で楽しそう。やった甲斐がある。『こんなことをしたな』と、大きくなった時に記憶をたどってもらえれば」とほほ笑んだ。