兵庫県丹波篠山市北の藤本初生(はつみ)さん(58)が自宅で栽培しているキュウリの枝からカボチャがなった。ホームセンターで購入した接ぎ木用の苗から栽培したという。聞くと思わず「?」となる現象。いったいどうして?―。
5月、昨年までナスを育てていたうねに、連作障害に強い接ぎ木苗を植えた。7月にはカボチャの花に気付いた。キュウリを収穫した後、カボチャの実8個がみるみるふくらんだという。
初生さんは「親戚に(特産の)黒枝豆と一緒に送ってあげようか。天ぷらにしたらおいしいかも。ハロウィーンパーティーが近所であるから、孫に顔を描かせてもいい」と笑った。
苗を製造した株式会社「ハルディン」(本社・千葉県)の担当者によると、根っこの台木にカボチャを使ったからという。台木には、育てたい作物以外のものを使うこともあり、カボチャは病気と連作障害に強い。台木のカボチャの小さな芽を放置していると実がなるケースがあるそう。
気になるのは味だが、担当者は「食用ではなく、台木用の品種。食べるのはお勧めできない」と念を押した。このことを早速初生さんに伝えると、藤本家ではまだ誰も食べていないそうで、「どんな味がするかは一回試してみたい」。