木のおもちゃ展5連覇 中学1年の大森さん 今年はからくり初挑戦

2023.11.03
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ウッドクラフト展ジュニアの部でグランプリを獲得した大森さんと作品=兵庫県丹波市柏原町田路で

「丹波の森ウッドクラフト展(木のおもちゃ大賞展)・ジュニアの部」(同実行委員会主催)で、兵庫県丹波市立氷上中学校1年の大森春菜さんが、5回連続のグランプリ(文部科学大臣賞)に輝いた。今年は、初めてからくりに挑戦し、約4カ月がかりで大作を仕上げた。大森さんは「グランプリが取れるとは思っていなかったのでうれしい」と喜んでいる。丹波年輪の里(同市柏原町田路)で29日まで、全応募作品を展示している。

同部門は、全国から111点の応募があり、学校単位では20校から作品が寄せられた。

 

幽霊船の最下層部。オールが動くからくりになっている

大森さんの作品「恐怖?のさまようゆうれい船」(幅116センチ、奥行90センチ、高さ92センチ)は、緻密な設定で海賊船のファンタジー世界を表現した。「小さい頃から興味があり、海賊船を作ってみたかった」と大森さん。

1699年と1709年に同じ場所で沈没した大小2隻の海賊船が、船員の幽霊たちと共に突然現れ、調査隊が船に乗り込んだ―という設定。海底遺跡と海上の2段構造で、船を襲う海の怪物クラーケン(巨大タコ)も登場する。

からくりで大きく動くのは、クラーケン、幽霊船のオール、キッチンのテーブル。クラーケンは、ハンドルを回すと、船にぶち当たる動きをし、迫力満点だ。 大型幽霊船は、3段の造りになっており、取り外しできる。

船員と調査隊員は、木の数珠玉を2個つなげて人に見立て、バンダナやどんぐりの帽子をかぶせ、表情は手描きした。約100人を配置し、戦ったり、見張りをしたりと、それぞれストーリーがある。

船の帆は、カンナくずを使い、木のパーツは、購入したものや家にあったものを使いつつ、バーナーで焼くなど工夫した。

母の恵さんは同施設の木工指導員で、昨年、一般の部グランプリを受賞。父の栄司さんも一昨年に準グランプリを受賞するなど、“木工一家”。大森さんは小さい頃から木工に親しみ、糸のこなどの機械も操作する。

大森さんは、両親にアドバイスをもらったりするが、作品は一人で仕上げた。「今年は中学生になったので、からくりをやろうかなと思った。これからも出品し続けたい」と笑顔で話した。制作風景のビデオを、展示会場で流している。

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