お正月には縁起物の若松を―。日本三大産地の1つとされる兵庫県丹波市山南町で、お正月の生け花に使われる若松の出荷がピークを迎えている。関西市場での松市に合わせ、各農家は朝から晩まで作業で活気づいている。
若松は、マツの種をまき、畑に植え替えて3年目で収穫する。草刈り機で刈り取り、手作業で大きさごとに選別し、余分な葉などを取り除いて出荷する。この時期、アルバイト従業員を雇っている農家も多い。
同町では、坂尻地区を中心に戦後から若松の栽培がスタート。水はけのよい山すその土地の性質を活かした特産となった。丹波若松生産者会によると、20軒ほどの農家が約15ヘクタールで栽培しているという。
大阪、神戸など関西を中心に、名古屋、東京、富山、九州の市場へもトラックで運送している。同生産者会の古西伸次会長(56)=山南町坂尻=は「縁起が良い常緑樹の松を生けて、よいお正月を迎えてもらえれば」とほほ笑んでいた。