兵庫県丹波市教育委員会は、遺跡として確認されている市内約110カ所の城跡をまとめたパンフレット「丹波国攻め 丹波市之部」を作製し、同市春日、柏原にある両歴史民俗資料館で無料配布を始めた。担当者は「城跡巡りに活用してほしい」と話す。来館者限定。
A2サイズほどでカラー刷り。折りたたみ式で持ち運びやすい。3600部を作成した。
市の立体地図上に、あまたある城跡のポイントを記載。一大勢力がおらず豪族が群雄割拠していた鎌倉時代から、赤井氏・荻野氏の台頭、織田信長による丹波攻めなどが起こった江戸時代までの歴史解説文も付けた。
裏面には、「丹波の赤鬼」の異名で知られる赤井(荻野)直正の居城・黒井城跡(同市春日町)など〝メジャー〟な城跡だけでなく、石積が見られる東芦田城跡(同市青垣町)や、コの字に土塁が残る野村城跡(同市春日町)といった知られざる城跡まで、12カ所の所在地や城主、アクセスを紹介している。城名と場所の横に、訪れた「攻城日」を記す欄も設けた。
担当者は「山に登っていろんな城を〝攻める〟ことで、造られた理由や役割を想像してもらえるのでは」と期待している。