兵庫県立篠山東雲高校2年生でフード・インスティテュート類型を選択している生徒11人がこのほど、東部学校給食センターで自ら考案したメニュー「しののめし」などを調理したほか、特産物栽培などを通じて交流している多紀小学校で食育授業を実施した。生徒たちは、給食作りの苦労や食品衛生の重要性を学び、児童たちに地産地消の大切さを伝えた。
食育促進事業の一環で、同小とは2年目の取り組み。今年度、同高は同小3年生(26人)と食育に関するさまざまな取り組みを行っており、同類型は山の芋のグリーンカーテン作りや黒豆みその仕込みを、アグリプロダクト類型は黒大豆栽培や黒枝豆収穫を実施してきた。
「しののめし」は、同高産の黒豆に、ニンジンやワカメを加えた炊き込みご飯。調味料には、同高産酒米を使って鳳鳴酒造が醸した清酒「東雲の穂」が使われた。このほかにも同高産の山の芋と東雲の穂の酒かすに、鮭やニンジンを入れた紅白汁も調理。これらは、同給食センターが管轄する幼稚園や小中学校などで提供された。
食育授業は同小で実施。生徒たちは児童と一緒に、ホットケーキミックスに黒豆と山の芋を加えた菓子作りを行った。使用した黒豆、山の芋は共に同小で栽培したもの。児童たちは生徒の手ほどきを受けながら、パンケーキや蒸しパンなどの調理を楽しんだ。また、今夏に同生徒と児童が仕込んだ黒豆みそを使ってみそ汁もこしらえた。
調理後はそろって給食や菓子を食べ、生徒たちは児童に「丹波篠山にはたくさんの特産品がある。地元のおいしい食材を食べて消費することを地産地消という。食べ物の命に感謝して、しっかり『いただきます』とあいさつをしてご飯を食べようね」と呼びかけていた。
同高の粟野謙心さんは、「給食作りはスピード勝負だと感じた。段取り良く調理しなくてはいけないし、衛生管理も徹底されていて感心した。私たちの育てた食材を『おいしい』と食べてもらえることに喜びを感じた」と話した。
ベビーカステラを作った児童の今井すみれさんは「丹波篠山にはたくさんの特産物があることに驚いた。ベビーカステラには私たちが育てた山の芋と黒豆が入っているので余計においしい」と笑顔を見せていた。