笑いや笑顔は人々に元気を与えるとともに、自分自身も元気にする。丹波地域で笑いヨガを広めている笑いヨガティーチャー、アンバサダーの梅谷浩子さん(56)=兵庫県丹波市氷上町=に、笑いと笑顔について聞いた。
「じゃあ、『世界の国からこんにちは』をやりましょう。こんにちはの『は』で、ばんざいしながら笑ってね。ばかばかしくても、笑ってね。『こんにちワーッハッハッハー。こんにちワーッハッハッハー。世界の国から~」―。
笑いと深呼吸を組み合わせた健康体操「笑いヨガ」(ラフターヨガ)。がん細胞やウイルスに感染する細胞を攻撃する「ナチュラル・キラー細胞」が、笑うことで活性化される。1995年にインドの医師が考案。世界中に広がっている。
2017年1月にインドを訪れ、創始者に学び、リーダーを養成できる「ティーチャー」資格を取得。翌年、創始者が来日した際、優れた実践者に贈られる「笑いヨガアンバサダー(大使)」の称号を授与された。
導入は、横隔膜を動かす体操「ほっほっハハハ」。息を吐くときに横隔膜が緩み、呼吸が大きくなる。「トイレの便座に座りながら、『ほっほっ』とやるといい。1回笑ったのと同じ効果がある」
子ども心を取り戻すおまじないが「やったーやったーイエーイ」。「やったー」に合わせ手をたたき、「イエーイ」で万歳する。万歳から息を吐きながら体を倒し、吸いながら万歳の姿勢まで起こして息を止め、また手を下ろしつつ大きく吐く。「ええやんええやんイエーイ」「いいぞいいぞイエーイ」と続ける。続けるうちに、笑いがこみ上げてくる。
「横隔膜が動かないと、笑えない。笑うと横隔膜が鍛えられる。呼吸が深くなり、肺に酸素をたくさん取り込めるようになる。夫婦げんかのときも『腹立つ、腹立つ、イエーイ』ってやるといいです」
子どもは一日に300回、大人は18回しか笑わないという報告がある。「笑いは、そう簡単に落ちていない。心から笑っていなくても、『ワッハッハー』とやることで、脳は笑っていると勘違いする。笑っているのと同じ効果がある。動作が感情をつくる。万歳し、『ワッハッハー』と声を出し、一日1度でも大きく伸び、深呼吸するとリフレッシュする」
「リーダー」の育成を始めた。「いきいき百歳体操」や「ふれあいサロン」、教育現場、職場などで同ヨガが広まることを期待している。
大勢で同ヨガをするイベントが姫路城など各地で開かれている。「『丹波年輪の里ラフター』とか、面白そう。するときは必ず、『笑いヨガ』ののぼりを立てて。集まって『ワッハッハー』ってやってたら、不審な集団と思われかねませんから」