いち早い学校再開が重要
震災・学校支援チーム「EARTH(アース)」の一員として1月18―24の7日間、石川県珠洲市立直小学校を中心に復興支援活動を行った。児童数約70人の小規模校。発災から2週間が過ぎた1月15日から、ようやく授業が再開されたという。
活動内容は多岐にわたり、心のケアが必要と思われる児童を、表情や行動、言動から探り、現場の学校につなぐことや、被災して通勤できなくなった教師の代役で授業も行った。ガラスが割れたり、避難者が暖を取るためにカーテンを引き剥がした教室の窓辺に、模造紙や新聞紙を貼ったりして学習環境を整える作業もした。授業が再開しても、校内には避難者が身を寄せている状況だったという。
活動の初日からボランティアによる炊き出しが始まり、子どもたちはようやく、これまでのアルファ化米と水だけの昼食から、温かい食事を口にできるようになった。「子どもたちが教師と向き合い、笑顔で頬張っていたシーンに、こちらの心も温まった」
「有事の際、学校は、倒壊した建物やがれきが散乱する、しんどい光景が広がる町の日常から離れられる場所のように思えた。クラスメートや教師が共にひとときを過ごし、何げない日常会話に笑いが起こる。学校は心に安定をもたらす場所にもなっていることを実感した。いち早い学校の再開が、子どもたちの心のケアにもつながるということを、身をもって知った」
「今回の体験を丹波篠山の子どもたちや市民と共有できたら。今後、防災教育にも関心を持って取り組み、学びを深めていきたい」。31歳。