シャクナゲ満開の松隣寺 地元住民の心のよりどころ

2024.04.26
たんばの世間遺産丹波篠山市地域自然観光

見頃を迎えた境内のシャクナゲと高辻住職

当たり前にありすぎるけれど、住民が大切にしていきたいもの「世間遺産」―。丹波新聞では、兵庫県丹波地域の人や物、景色など、住民が思う”まちの世間遺産”を連載で紹介していきます。今回は、丹波篠山市本郷にある「松隣寺とシャクナゲ」です。

松隣寺は「シャクナゲ寺」として知られ、今年も境内に200株以上の花が咲き、満開を迎えている。見頃は5月上旬まで。

シャクナゲは旧西紀町花で、現在でも地元住民らに愛されている。豪華で美しい花を咲かせることから「花木の帝王」と呼ばれる。檀家らの世話のおかげもあり、境内の階段脇や山の斜面、本堂そばなど、たくさんのシャクナゲが咲き誇っている。同寺の総代を務め、9年目になる水口伸士さん(81)は「花の寺として有名になり、お客さんも増え、ありがたい。昔から地元住民にとっては心の休みどころ」とにっこり。

同寺によると、自生しているものや、50年以上前に奈良の寺から譲ってもらったものもあり、株をだんだんと広げてきた。以前は「松隣寺カップ」のゴルフ大会も開かれ、優勝者がシャクナゲを寄贈して植えたこともあるという。

昨年3月、亡き父の後を継いだ髙辻左京住職(26)は「小さい頃からシャクナゲを見て育ったので、開花の頃は心が落ち着くし、安心する」と話す。

また、森本一志総代長(69)は「幼稚園の頃は、左京住職の祖母で先生をしていた庸子さんにお世話になり、お寺でも習字を習ったことを思い出す。シャクナゲも松隣寺も心のよりどころ」と思いを語った。

 

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