丹波で初の「ロボコン」 小中学生がプログラミング 自走させ「三宝」集める

2024.08.06
地域注目

児童生徒作の20機が熱戦を繰り広げたロボットコンテスト=兵庫県丹波市柏原町柏原で

小中学生が自身でキットを組み立て、プログラミングで制御したロボットで得点を競う初めての「丹波の森ロボットコンテスト」(同実行委員会主催)が、兵庫県丹波市の丹波の森公苑であった。小中学生20人が、同市特産の農産物「丹波三宝」を集める、ご当地競技に挑んだ。

3・6メートル四方のコースに引かれた白黒の線を光センサーで読み取り、走らせる。本州一低い中央分水界にちなみ、加古川と由良川の下流から上流へと線に沿って進み、上流にある栗、黒豆、小豆の丹波三宝に見立てたマジックテープで覆ったボールを、ロボットの前面やアームのマジックテープに接着させ、スタート地点に持ち帰るルール。1対1の勝負で、道中で拾ったアイテム数と、コース走行の的確性により得点を競った。

児童生徒作の20機が熱戦を繰り広げたロボットコンテスト=兵庫県丹波市柏原町柏原で

ロボットはリモコンなどで操作せず、事前のコンピュータープログラミングでモーターの回転数や方向転換の角度などの動きを制御した自立走行。課題が見つかると、試合の合間にプログラムを書き換え、イメージする動きになるよう知恵を絞った。

決勝は、ロボコン大会出場経験があり、毎月クラブ活動でロボットに親しんでいる加東市の小学5年、渋谷和輝さんと、丹波市の中学1年で今回初めてロボコンに挑んだ宇佐美朋佳さんが対戦。ラインを外さない安定した走りで、前面のマジックテープで丹波三宝をごっそり取った渋谷さんが優勝、全国大会の切符を手にした。

宇佐美さんは「シンプルなプログラムにした。ここまで来れると思わなかった」とほっとしつつ、「思ったように動かせず、難しい」と、消化不良感も口にした。

優勝の渋谷さん(中央)、2位の宇佐美さん(左)、3位の波多野愛鈴さん(右)

動かないロボットがほぼなかった一方で、制御が不十分でコースアウトするロボットもあった。

丹波地域の16人と北播地域の4人が出場。丹波地域の児童のロボットは、春休みに実行委員会が開いた講習会で組み立て、おのおのデコレーションを凝らし、自分のロボットに仕上げた。

福井県発祥で各地に広がる「ご当地こどもロボコン」の一つ。丹波市内でIT関連事業所を自営する湯山加奈子さん(41)が、昨年開かれた「北はりま稲刈りロボットコンテスト」を見て、地元のIT人材の育成に有用と、実行委員会をつくり、実施した。

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