武術太極拳で全国初V バレーと”二刀流”の高1 武器持たない「長拳」演武

2024.10.22
丹波篠山市地域注目

国スポ少年の部で優勝した丸山さん=兵庫県丹波篠山市大熊で

兵庫県丹波篠山市の篠山鳳鳴高校1年・丸山響生さん(15)がこのほど、佐賀県嬉野市で開かれた「国民スポーツ大会(国スポ)」の公開競技の一つ、武術太極拳・少年男子(中学3年―高校3年)の「国際第一套路長拳」で優勝した。丸山さんが全国大会で優勝したのは初めて。丸山さんは「やっとたどり着いた1位」と喜び、「次はジュニアオリンピックカップで優勝を目指す」と気合を込めた。

国スポ同種目には22人が出場。「長拳」は武器を持たない素手で、跳躍やキック、バランスの動作などが入った演武を約1分半行う。「本番ではバランスが崩れそうになったが、持ちこたえることができた」と振り返った。

昨年は2位だった2月の県選手権大会で優勝し、県代表に。「県代表に決まり、ほっとした。国スポに向け、ノーミスで臨めるよう、基本の反復練習と表現力を付けた」

国スポ前に行われた4月の全国大会「ジュニアオリンピックカップ」では入賞が目標だったが、8位に終わった。「ミスが結構あった」と悔しがり、今回の国スポでの雪辱を狙っていた。

香港の俳優、ジャッキー・チェン主演のカンフーアクション映画に影響され、小学1年生の時に神戸市のサークル「常笑輝龍」に入会。同高に進むと、バレーボールを題材にしたアニメ「ハイキュー!!」を見て、あこがれていたバレーボールを始めた。身長168センチながら、持ち前の跳躍力でレフトスパイカーを務めている。「チームプレーが楽しく、スパイクを決めた時は気持ちいい」とやりがいを感じている。

昨年11月に開講した教室で子どもたちに指導する丸山さん=兵庫県丹波篠山市郡家で

「バレーボールを始めて筋力がアップし、低い動作の安定感が増した」一方で、「太極拳の跳躍の感覚と違い、空中での軸が不安定になった」と言い、反復練習で感覚を取り戻している。練習は、中学までは週3回だったが、高校からは週1回に減った。「日によっては30分のみのときもあるが、練習の質を高められた」と前向きに捉えている。11月に予定されているジュニアオリンピックカップの近畿予選で優勝し、来年4月の本選で3位以内を目標としている。

バレーボールでは「背が高くない選手でも決められるスパイクの打ち方を研究して、もっと得点できる選手になりたい」と言い、「目標はチームで近畿大会に出場すること」と抱負を語る。

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