氷上回廊水分れフィールドミュージアム教育普及専門員 海老原茉里奈さん(神戸市)

2024.10.20
たんばのひと

海老原茉里奈さん

「氷上回廊」分かりやすく

今年4月から、本州一低い中央分水界「水分れ」や氷上回廊の成り立ち、地形、文化、自然などを紹介する「氷上回廊水分れフィールドミュージアム」で教育普及専門員を務めている。展示会を企画したり、近隣の小学校で出前教室を実施し、市の自然や生物、氷上回廊などを分かりやすく解説したりしている。

神奈川県三浦市出身で、自然に親しみながら育った。とりわけ鳥が好きで、「表情筋がないけれど、体全体で感情を表しているように感じる」と魅力を語る。「5歳の時、本当は犬を飼いたかったけれど、親から『インコならいい』と言われ、ボタンインコを飼いました」

生き物が、生き物らしく生きている姿を研究したいと、麻布大学動物応用科学科に進学。野生動物学研究室に所属し、フクロウを研究対象にした。巣箱の中身を回収し、何を捕食しているのかを調査する食性研究に力を注いだ。

大阪府能勢町の青少年自然の家の指導員を経て、縁あって「県立人と自然の博物館」へ。研究員を補助したり、館内展示の手伝いや標本作りに励んだりした。丹波市市島町で水稲を食い荒らす外来種「ジャンボタニシ」が大量発生した際には、調査に同行した。

同館の研究員が氷上回廊水分れフィールドミージアムのリニューアル事業に携わり、自身も同施設と接点ができた。

生き物をベースに、氷上回廊や水分れの歴史、文化などを盛り込んだ展示を企画したいという思いが強い。「氷上回廊は人と文化、動植物が行き来した場所。生態学的な情報を取り入れた展示に加え、全国の分水界をテーマにした企画展もできれば」。34歳。

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