手作りと家庭料理を愛する管理栄養士 田島彩央李さん(丹波市)

2024.12.08
たんばのひと

田島彩央李さん

思いついたら作る好奇心

「隣の子のお弁当が気になる食い意地の張った子ども」だった。食への好奇心から大学で栄養学を学び、調理師と管理栄養士の資格を取得。「料理人はプロ。究めた人。ジャンルが多様で上には上がいる。そんな果てしない道のりは自分には向かない」と、趣味で料理を続けてきた。

趣味だけに多彩。「思いついたら作ってみて、どうだったか検証する。その作業が面白くて」。ヴィーガンレストラン、パン屋、弁当総菜屋、カフェ、広島風お好み焼き屋、中学・高校の家庭科講師、刑務所の栄養士、都内のバー、ネパールのゲストハウスで半年間の自炊生活―とさまざまな食の現場を経験してきた。

結婚を機に丹波市に移住、夫と子ども2人の4人家族。主婦が子連れで参加し、おしゃべりをしながら料理をし、夕食をタッパーに詰めて持ち帰る「三ツ星シュフ(主婦)の料理研究会」と名付けた集いを主宰する。年末には、みんなで集まりおせち料理の煮しめを作る。

趣味的にやってきた料理研究をより深めたくなり、今年、新たな一歩を踏み出した。離れを改装し、飲食店、菓子製造業などの免許を取得。「かあさんの休日」の屋号で受注生産の弁当や菓子製造を始めた。

材料や調味料にこだわっている。けれども「こだわり過ぎない」。「あれは使えない、これは駄目と縛られるのは楽しくない」直売所で野菜、肉や魚はスーパーで調達する。「身近な食材で美味しく」を心がけている。

台所に立つ時間がますます長くなった。「私が好きなことをする時間が『休日』。働いているけれど、『休日』」と、好きな料理で人と縁を結び、豊かな人生を拓くことへの期待に心躍らせている。37歳。

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